三面鏡

2017.03.23.Thu.11:08

ある営業所で、取引先とトラぶって、その対処の応援として、出張した際での出来事。 

(場所の明記は勘弁してください。大阪方面とだけ書いておきます。) 

営業所の人と協力して、何とかトラブルの対処も終わり、その晩は、営業所の人と、 

慰労会件お別れ会で、酒を飲んで、大体9時半ごろ、宿泊先にしていたホテルに戻った。

営業所の人から、おおよその報告は言っているので、明日は、朝一で本社に戻って経緯の報告をすれば、この仕事も終わる。 

明日は早くに出なければならないし、今までの疲れもあるので、部屋に戻ったら、速攻でシャワーを浴びて、寝ることにした。 

で、シャワーを浴び終わった後、髪形を整え、歯を磨くため、洗面台へ。 

大抵、洗面台の鏡は、三面鏡じゃないですか。 

で、自分、子供の頃から、両側の鏡を、水平にして、無限に同じ光景が映っているのを見るのが妙に好きだったんです。 

その時も、鏡を水平にして、無限に同じ光景が映っているのを見ていた。 

その時、今から考えれば、何故そんな事をしたのかは、解らないのですが、髪形を整えるために使っていた串を握って、 

鏡の前で、上下に振ってみたんです。 

右にも左にも、無限に櫛が上下に振られている。 

で、それを何とはなしに見ていたのですが、あれっと思って左側の鏡を見てみた。 

枚数はよく数えていなかったのですが、何枚(って表現でいいのかは、不明ですが)か先に映っているのだけが、 

どう見て目ても櫛ではないんです。

そこに映っていたのは、赤い血糊の着いたナイフ。 

それが、私の動かす櫛と同じリズムで上下に動いている。 

見間違えかと思ったが、そうではなかった、その何枚目かのもの以外は、すべて櫛なんです。 

心臓はバクバク言っていたが、変に落ち着いていたのも事実で、右側を見てみると、右側は、すべて櫛だった。 

再び左側をみると、やっぱり何枚目かだけの一つだけが、血糊の着いたナイフになっていて、そのナイフが、 

こちらの櫛と同じ動きをしている。 

枚数は、数えていなかったが、そのナイフが、先よりもこちらに近づいているような気もする。 

その時点になって、急に恐怖が襲ってきた。 

あわてて鏡を元に戻し、ベッドへ。 

洗面所(というかユニットバス)から何かが出てきそうな恐怖にも襲われ、結局一睡もできず朝になった。 

当然、朝は、洗面所にも行かずに、速攻で、チェックアウト。 

一睡もしていないせいで、かなりやつれた顔をしちたと思うが、上司は、仕事の疲れと思ったのか、 

「御苦労さん」と、労ってくれて、その日は、もう帰っていいってことになった。 

家に戻っても、あの光景が頭から離れず、しばらくは洗面台で、まともに鏡も見れなかった。 

でも、まあ、酔っていたし、疲れと酔いで、妙な幻覚か何かを見ただけかもしれない。 

と、自分に言い聞かせて、なんとか自分を納得させようとした。

その甲斐(?)あってか、何かは知らないが、一カ月もたつと、生活も日常に戻ったし、鏡も見れるようになった。 

で、大体3カ月も過ぎたころ、とあるホテルで、殺人事件が、というニュースが流れた。

そのホテルは、お察しの通り、私の泊まっていた、あのホテルだった。

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