木箱

2017.04.05.Wed.21:04

弟から聞いた話。 

大学の友人が別のアパートに引越しをするんで、その手伝いにいったそうだ。 

手伝いは弟の他に、同じ学校の二人。 

レンタルした軽ダンプに家財道具を積んで、引越し先のアパートに向かった。 

軽ダンプをその友人が運転して、弟は助手席。後ろから二人が乗った車がついてくる。 

しばらく走っていると、後ろのひとりが弟にケータイを掛けてきた。 

どこでもいいから車を停めてくれ、という。 

コンビニの駐車場に入ると、なぜか二人の乗る車は、軽ダンプから離れたところに停まった。 

またケータイが鳴って、お前だけ、こっちに来てくれ、という。 

弟が車まで行くと、後部座席に乗るように言い、乗った途端にものすごい勢いで車を発進させた。 

あいつを置き去りにする気かよ、と弟が言うと、助手席の奴が言った。 

荷物を積む時、異様に重たい木箱があっただろう。国道に出たあたりで、その木箱がゆっくりと開いて、なかから黒い服を着た女が出てきた。箱から上半身だけ出して、俺たちの方を見て笑った。そして、また箱のなかに戻った。 

続けて、運転してる奴が言った。 

あの木箱には、釘が打ち付けてあって、頑丈なものだった。簡単に開く構造じゃなかった。だから、あの女は、おかしい。この世のものじゃない。俺たちは知らずにあの木箱に触ってしまった。このまま神社にいってお祓いを受けたい気分だ。 

だったら、あいつにも言ってやらないと、と弟。 

いや、あいつは多分、女のことは知ってると思う。それどころか、俺たちは、あいつが、なんらかの方法で、女を木箱に入れたんだと思ってる。 

弟のケータイが鳴った。あいつからだった。 

丁度いい。その女のこと、あいつに聞いてみるよ、と弟はケータイに出た。 

なぁ、木箱の女について、話があるんだけど。 

弟がそう言うと 

ばれちゃったか。ひひひひひひひひひひひひ…

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