再現

2017.04.08.Sat.16:12

俺の実体験。 

体験は人に話していないけど、事件は有名だったからわかる人にはわかるかもしれない。 

ちょっと長いけど・・・ユルシテ 

今から15年ほど前、俺はSEとして某大手家電メーカーの情報管理部で働いていた。 

本社の情報管理部だけどその部署は本社ビル内にはなく、大手町の○○ビルという古いビルの2階にあった。 

汎用大型コンピュータが設置されたマシン室が8階にあり、プリントアウトされた帳票などは8階まで取りに行く必要があった。 

仕事の性質上、徹夜での作業やシフトを夜間にして作業することも多かった。 

そのビルのエレベーターは確か3箇所あったと思うが、夜11時を過ぎると通常使っていたエレベーターは5階止まりになり、 

5階で一度降り、廊下を50mくらい歩いて別のエレベーターに乗り換えて8階へ上がる必要があった。 

セキュリティの関係なんだろうが非常に面倒くさかった。 

いやそれよりも、面倒くさいのなんて吹っ飛ぶくらい不気味だった。 

なんせ古いビルの上、乗り換えで歩く廊下はほぼ真っ暗。 

ところどころに点灯している非常口の誘導灯の薄明かりだけ。 

とにかく、深夜の人気の無いビルの暗い廊下ってのは非常に不気味だった。 

そのビルには吹き抜け部分があり、エレベーターホールに面していたので窓から吹き抜けが見えた。 

吹き抜けは、4階の屋根にあたる部分から屋上まで。 

要するに5階のエレベーターホールの窓からは、その吹き抜けの底が見えるということ。 

そしてある日、ある女性がそこで投身自殺をした。 

吹き抜け部分に、階数は失念したがかなり上の階の窓から身を投げて即死。 

理由はいろいろと囁かれていたが、本当のところは知らない。 

確か、休日の事件だったはずで自殺による騒ぎには俺は遭遇していない。 

しかし、それからと言うもの徹夜や夜勤でマシン室へ上がるのがやたらと怖くなった。 

それでも、元々霊的なものは信じていなかったので不気味さが数倍にはなったものの、あまり気にせずに数ヶ月が過ぎた。 

ある夜、同僚4人と徹夜で作業をしていた。 

一晩夜勤をすると、大体4回くらいは出力された帳票類をマシン室まで取りに行くことになる。 

一緒に夜勤をしている人間がなんとなく順番に行くのが慣例となっていた。 

深夜3時頃だと思う。その日は徹夜だったこともあり、俺以外はみんな仮眠を取っていた。 

仕方なく自分でマシン室へ行く。 

例によってエレベーターの5階のボタンを押した。 

・・・・・・・・・・  

・・・・・ 

ドアが閉まらない。 

「閉」のボタンを押しても閉まらない。 

止まってんのか・・・? と思い、降りようとした時におもむろにドアが閉まる。 

閉まる瞬間 

黒い影のようなものがスッとエレベーターに滑り込んだ。 

ような気がした。 

が、箱の中には俺しかいない。 

気のせい・・・と思って気にせず、5階で止まるのを待った。 

・・3・・4・・5・・ え? 

5階で止まらずにどんどん上がっていく。 

わけがわからないのと、ちょっと怖くなったので急いで9階あたりのボタンを押したが、そこも素通りしてさらに上がる。 

確か15階あたりだったと思う。 

エレベーターが止まり、ドアが開いた。 

真っ暗なホールにエレベーターの明かりがさす。 

慌ててもう一度5階のボタンを押して、「閉」を押す。 

ドアが閉まりきる直前、さっき見た影がスッと出て行った。 

ここである確信を持った。 

何かが乗ってた・・・ 

でも、降りた・・・・から大丈夫。 

このまま2階まで戻って、職場に戻ろう・・・ 

あらためて2階のボタンを押した。 

エレベーターが動き出す。が・・・ 

14階で止まり、ドアが開く・・・ 

開いたドアから吹き抜けを見通す窓が見えた。 

見えた瞬間、、、、何かが窓の外を上から下へ落ちていった。 

ドアが閉まる。エレベーターが動く。 

13階で止まる・・・ ドアが開く・・・ 

また見えた。何かが落ちていった。 

12階・・・ 

ハッキリ見えた。暗いのに・・ハッキリと・・女性が落ちていったのが。 

もうパニックになった。 

途中の階のボタンなんか押していない。 

でも毎階で停止してドアが開く。 

ドアが開くたびに落ちていくのが見える・・・ 

あとはもう、目をつぶっていた。 

もう何も見ないで2階まで降りて、すぐに職場の部屋へ逃げ込もう。 

そう思って耐えていた。 

しかし、気づいた。 

5階のボタンも押してある! 

5階で止まる・・・ 

5階は吹き抜けの底・・・ 

なにが見えるんだ・・・ 

見えるだけで済むのか・・・? 

そして5階に着いた。 

ドアが開く・・・  

目をつぶっていることの方が恐ろしかった。 

だから目は開けていた。 

見えた。 見えましたよ。 

それまでとは全く違うものが・・・ 

5階の窓。 

深夜だから当然閉まっているはずの吹き抜けに面した窓。 

その窓が大きく開いていた。 

どういうわけか、窓の外の風景が5階には見えなかった。 

もっと上の、、そう15階くらいの高さに感じた。 

その窓枠に、こちらを向いて腰をかけている女性がいた。 

普通に、、、生きている感じの女性。 

でも、ありえない。 

俺は硬直して見ていた。 

ドアが閉まる・・・ 

その時、突然その女性の前に若いサラリーマン風の男がいるのに気づいた。 

と・・・ 

その男が女性を突き落とした! 

ドアが完全に閉まった。 

なに・・あれ? 

2階まで降りて、職場に戻って仮眠を取りました。 

深く考えたくなかったので・・・ 

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