肝試し

2017.04.19.Wed.11:07

この話は、私が30年以上前の中学生時代に持病の喘息がひどくなり環境のよい田舎のばあちゃんの家で療養するため しばらく泊りがけで田舎暮らししていた時に実際に起こった出来事であり、警察沙汰にもなった話です。 

俺のばあちゃん家には年のおなじ従兄弟がいました。 

仮にこの従兄弟をマサオとしておきます。 

田舎ゆえ外で遊ぶのがメインでしたので、必然的にマサオの友人らとも仲良くなりました。 

時期的にも涼しいことでもやろうと思いその日はマサオの友人らと合い、以前分校で統合により廃校になった廃校に夜に忍び込んで肝試しをやろうという話になりました。 

メンバーは俺、マサオ、マサオの友人のA、B、C、 の5人で夜の八時に学校のグラウンドに集合しました。

夏とはいえ八時を過ぎると真っ暗で木造の廃校は不気味さを感じさせます。 

「‥やっぱりやめようよ‥‥」 

メンバーの中で一番気が弱く、霊感体質のBがそういうとリーダー格のA がじゃあお前一人で帰れば‥と突き放し、面倒見のいいCがAをなだめます。 

そんなやり取りをしてると、校舎の周りの様子を一足先に偵察してきたマサオが正面玄関にやってきました。 

「特別教室みたいな部屋の鍵が開いたままだからそっから入ろうぜ」 

俺達はマサオが先導するがまま、特別教室からそっと校舎に入りました。

美術室だったであろうその教室を抜け廊下に出ると一歩歩くごとに木造ゆえギシギシと不気味な音が校舎に響きます。 

一階には一年生の教室と保健室、職員室があり特になんてことはありませんでした。 

二階にあがる階段を見つけ、2-1から2-5まである長い廊下をAを先頭に、マサオ、俺、、C、Bの順に廊下を進んでいると、がり角付近に近づくにつれふと奇妙な香りが漂ってきました。 

それは線香のようなにおいではなく、今思い出すとアロマテラピー?などで使われる匂いだったと思う。

急に意識が遠くなってきた。

そしてみんな立ち止まる。

ふと急にBがひそひそ声でブツブツブツとお経のような呪文を唱えハヤクジを切り始める。 

シーンと静まり返り、みんな黙りこくってしまった。 

ふと耳をすますと、曲がり角の奥からギシ‥‥ギシ‥‥ギシ‥と床を踏みしめる音が聞こえてきた。 

息を潜めさらに耳を澄ますと 

「ギシ‥ギシ‥ギシ‥‥‥ヒヒヒヒ‥」 

男とも女とも区別がつかない嫌悪感を感じる笑い声響かせながら曲がり角から黒いものが現われた。 

それは腰まである黒い衣装に身を包みぼさぼさの長髪で顔がみえなくなるまで髪を垂らした人間のようなものだった。

「うわぁあああ!!!」 

俺らはあっさりとパニック状態に陥り今来た二階の廊下をいっせいに走りだした。 

一番運動神経が悪いBがおまえ普段本気出してないだろって言いたくなるぐらい足が速い。 

一切後ろを振り返ることなく必死になって美術室からグラウンドに出た俺達は鉄棒のあるところまで一気に駆け抜けた。 

息を切らせ点呼する‥‥ 

Aだけがいなかった‥‥ 

C「おい、あれAじゃねぇ?」 

グラウンドから校舎の二階を除くと、俺らが曲がり角で立ち止まった場所にAらしき黒い影が見える、さらにその隣にももう一人の影が見える。 

そのもうひとりの影がAに重なりその影はスーッと消えていったように見えました。 

俺の記憶があったのはそこまでです。 

廃校の埃っぽい空気で喘息を悪化させた上に全速力で走った俺は呼吸困難になりその場所で気を失ったそうです。

あとから聞いた話なのですが、その後俺を連れて家に帰ったマサオ、B、Cは親にこの事を話しすぐさま警察に捜索してもらったそうです。 

Aは、廃校の正面玄関の下駄箱のある場所の奥の廊下との間のちょっとした広場で魔方陣のような模様がチョークで書き込まれた場所の中心で、血まみれの状態で見つかりました。 

その血は人間のものではなく動物の血だったそうです。 

不思議なのは、僕が見たのは校舎に取り残されたAですがBはマサオが取り残されていたといいBはCが取り残されていたといい、まさおはBが校舎に取り残されていたと言っていた点です。

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