禁泳区域

2017.06.11.Sun.16:15

とある海沿いの田舎に青年がダイビングをしに来ていた

地元の人からは「禁泳区域」には絶対入るんじゃないぞ と妙に固く言われた 

それが気になって、なんか危険なのかなーと見てみると、別に高波がくるわけでもなく 

ちょっと沖に出てるだけでそう危険には見えない かえって気持ちよさそうな場所だ 

青年が夕方に水中スクーターで海の散歩を楽しんでいた時の事だった 

いいつけを破って禁泳区域に入ってしまっていた それを知っていながら 

別に気にもせずに「なんだ綺麗じゃん」と思って楽しんでいた時の事だった 

何か遠くに白い影が見える 人かな?と思ったら、そこらへんでフワフワしてたソレは 

こっちに気がついた様子で、ものすごい勢いで走ってきた 

青年は驚き、慌てて水中スクーターをUターンし全開で逃げた 

バカな、泳ぎで人間が水中スクーターに勝てるはずが無い だがしっかりついてくる。 

それどころか距離が縮まっている。 いや、泳いでいるのではない、奴は走っている 

なんとか追いつかれる前に地上につき、そのままスクーターも投げ出して猛スピードで地元の寺 

に走って逃げた。 地上に出たというのに後ろからまだハッキリとついてくるのが分かる 

なんとか寺に逃げ込み住職に蒼い顔で状況を説明した 住職は言った 

「何故禁泳区域に入ったんだ!海で死んだ者達が生きてる人を引き込もうとさまよってる

場所なんだ 

とにかく、ここにいる間は大丈夫だから、夜が明けるまで外に出ちゃダメだぞ!」 

そして、そのまま本堂で扉を閉め切って読経を始めた。

すでに日は沈みかけ、それから真っ暗になった頃から 

奇妙な現象は始まった 

バンバンバンバンと本堂の周りの扉を叩く音が響く。

住職はとにかく「開けてはならん!出てはならん!」と言い読経を続けた 

雷が鳴った瞬間、本堂の扉に人の影が写る。時間が経つほど音は激しくなる 

青年は住職の前で蒼い顔で縮まってるしかできなかった それは夜が明けるまで続いた・・・ 

朝になってすべてが収まり、住職も読経を止めて、言った 

「これからは昼でも海には近づいてはいけない。 あと海から離れていても、

夜中に出歩いてはいけない 

必ず貴方を連れて行くだろう」 

あれから10年、青年はいまでも海には近づかない 

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