危篤のおじいさん

2017.06.30.Fri.16:15

婚姻届を出しに行ったのが大晦日だった。

時間外受付で受理してもらい、予定していた親戚の家に行き年越しの集いに行こうと思ったら、

義理の母から電話があり義母の父親が危篤状態なので、すぐに病院に来てほしいとのことだった。

もうほろ酔いの義父と焦る義母を乗せて病院へ。

運転は夫で助手席は私。義父母は後部座席にいたのだが、運転席と助手席の間にもう一人いた。

よく目覚まし時計などに使われている黄緑色の夜光塗料のような色のおじいさんがいた。

眼鏡をかけて猫背で少し首を前に出していた。しかし他の人たちには見えている気配がなった。

生まれてはじめて人ではないものを見たのだが「まさか夫のおじいちゃん?

あ、でも今言ったらパニックだな」と黙っていると、夫の携帯が鳴り「今亡くなった」と。

気づくと黄緑の人は消えていたが、車はそのまま病院へ。

義母の実家の人たちとは面識もあり私も病室にいれてもらったが、横たわるおじいさんの顔を見て

「さっきの人は違う人か…この人は眼鏡をかけていないな」とボンヤリ思った。

それから年が明けてから慌ただしくお通夜や葬儀が行われた。

私も新米だけれどお勝手の手伝いをしていて、遺影を見たときに気づいた。

…眼鏡をかけている。

よく考えたらご臨終を迎えられたから眼鏡は外していたんだ。やっぱり車に乗っててたのは

夫の祖父だったんだ。

実は祖父が亡くなるちょうど一年前、夫が突然の病で死にかけた。

あいにく後遺症などもなく生活しているが、倒れる数日前に祖父の家を訪ねていたのだ。

なので「今年はあいつ(夫)は来るのかなぁ、元気にしてるのかなぁ」としきりに心配していたそうだ。

私たちは年が明けてから入籍のご報告に伺うつもりがお葬式になってしまったのだった。

葬儀からしばらくたち、皆でテレビを見ているときに義母が「幽霊って見たことある?」と

私に聞いてきた。

渋りながら大晦日の話をすると、驚きつつも義母は納得してくれた。

「きっと○○(夫)を宜しくっていいに来たんだね」と涙ぐんでいました。

本当にほんのりな初体験でしたが、長くなりすみません。

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