本命の入社試験日に起こしてくれたのは

2017.07.03.Mon.11:15

ある朝、頬をなでられる感触で目覚めた。

おそらく飼い猫のチョビだろう。 

肉球でピタピタと俺の頬をなでている。 

だが俺は眠い。まだまだ微睡んでいたく、無視した。 

ハッと気がつくと、起床の時刻をやや過ぎていた。 

目覚まし時計をかけわすれていた。 

その日は本命の入社試験日だった。 

危うく遅刻するところだったが、なんとか間に合い、

無事内定をもらい、今俺は希望通りその会社で働いている。 

あのときチョビのおかげで遅刻せずにすんだ。 

しかし、チョビは三年前に他界していた。 

独り暮らしの俺は動物は飼っていない。 

だがあの朝、俺の頬を撫でていたのは、

生前、寝ている俺に遊んでくれとせがむチョビのそれだった。

関連記事
コメント

管理者のみに表示