幽体離脱したらしいのだが

2017.07.03.Mon.16:15

柔道部員だった中学のころの話

県大会の予選で俺は受け身を失敗して失神したようだった。 

技をかけられ、ヤバイと思った瞬間まで覚えている。 

ふと気がつくと、俺は会場の天井近くにふわふわ浮いていて、遥か上から各試合を見ていた。 

いつから見ていたのかわからない、気がついたら試合をじっと見ていた。 

俺の隣にはシミだらけの顔で、Tシャツの下のガリガリの二の腕に入れ墨がのぞいている

中年女性が浮いていた。 

俺はゆっくりと思う方向に移動できた。中年女性もそれにあわせてふわふわとついてくる。 

やがて、うちの学校のエースの先輩の試合が始まった。 

先輩は序盤で有効をとられるも、内股で一本勝ちし、格の違いを見せつけた。 

俺は思わず手を叩いて喜んだ。 

その時の思考は何故か冷静で、なんの疑問ももたず、上から試合を見てるといつもと違って

なんだか見易いなあ、とか考えていた。 

中年女性とは何も語らず、虚ろな顔をしていた。 

そして突然強い風が吹き、俺はバランスを崩した。 

今までふわふわ浮いていたのに、突然重力が掛かったかのように、まっ逆さまに下に落ちていった。

次に気がつくと、畳の上で看病を受けているところだった。 

すぐに担架が来て俺は医務室に運ばれた。 

さっきまで見ていたのは夢だったのかな? 

しかし、先輩の試合が気になり、医務室を抜け出して会場に出ていった。 

先輩の試合はさっき俺が見ていた内容と全く一緒だった。 

隣にいた違う中学の友達は、俺が話す通りに試合が展開するものだから驚いていた。 

その後、通りかかったマネージャーに見つかって怒られた。そのまま俺は近くの病院に行って

簡単に検査をした。異常はなかった。 

話を聞くまで知らなかったのだが、技をかけられ畳に強く打ち付けられた俺は泡を吹いて

痙攣していたらしい。 

幽体離脱ってやつかな?しかしなぜ未来に? 

気になるのがあのガリガリのおばさんだ。 

結局一言も話さなかったが、俺の隣にふわふわとずっとついてきてた。

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