家でゲームをしていたら

2017.07.05.Wed.16:15

俺が中学生の頃の実家での話。 

実家は今でこそ鉄筋コンクリだけど、当時は木造建築の古い家だった。

その日は夏休みだったか日曜日だったかは忘れたんだけど、昼間の家に俺ひとりきりだった。 

で、居間でスト2ターボをやってると玄関の方から 

「こんにちわ~」っておばちゃんの声がした。 

当時は田舎だった事もあって玄関に鍵なんてかけなかった。 

だから近所のおばちゃん達が勝手に入って来て、それから声を掛けるのなんて

当たり前の事だった。 

だから、この時も「あ、誰か来た」ぐらいにしか思わなかった。 

スタートボタンでスト2ターボをストップさせてから 

「はーい」 

とか言いながら俺は玄関に向かった。けど誰もいなかった。 

あれ?とか思ってると今度は居間の方から 

「こんにちわー」 

って声がした。 

ちょっと説明しづらいんだけど、居間は小さな庭に面していて、その庭もフルオープンで

誰でも入り込めた。 

だから短期なおばちゃんが直接、庭の方にまわったんだと思って 

「はーい、今いきまーす」 

とか言って居間に戻った。でもガラス越しに庭を見ても誰も居ない。

いい加減イラついて「ババァ何がしてぇんだ!」とか思いながらシカトする事にした。 

で、テレビの前に座りコントローラーを握ったらまた 

「こんにちわー」 

って玄関で聞こえた。そん時、あれ?と思った。よく考えたら玄関が開く音がしてねぇ。 

その玄関は木枠に磨りガラスを嵌め込んだ引き戸で、開ければガラガラと音がする

はずなんだけど、よく考えたらソレが無い。 

それに気づいたらスゴく怖くなってきて、背筋がぞーっとすると同時に、コントローラーが

ビショビショになるほど、一気に汗が吹き出した。 

俺はとにかく気配を消さなきゃ!と思って、ポーズ画面にしたままじっと息を殺した。 

そのまま何分間か、じっとダルシムだけを見つめていた。

ダルシムの赤い刺青みたいなのを、じっと。 

そしたら突然 

「こんにちわー!」って耳元で挨拶された。 

「うぉわぉっ!」 

なんて事を叫びながら、振り返っても、やはり誰もいなかった。 

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