だるま

2017.08.01.Tue.11:15

日本人夫婦がインドに新婚旅行へ出掛けた。その旅行はいわゆるパック旅行で、添乗員からは「土地の事情を知らない観光客は市場には近づかないでください」と言われていた。しかし、その夫婦は地元の人の生活を覗いてみたいと思い、自由時間のときにこっそり市場に行ってしまう。

妻が地元の人たちが着るような服を記念に買って行こうと考え、裏路地にあった店でめぼしいものを見つけて試着室へ入って行った。ところが、いくら待っても妻がなかなか店から出てこない。夫は店の中へ入り妻を探したがどこにも妻がいない。

店員に聞いても言葉が通じず、地元の警察に駆け込んだが、いくら捜査をしても妻の足取りはわからず、結局夫は、妻に会えないまま日本に帰ることになってしまった。

妻の捜索を目的としたインド滞在が数回目を迎えたとき、日本語で「日本ダルマ」と書かれた看板のある小屋が目に付いた。そこは見世物小屋だった。日本から遠く離れたインドで日本語を目にし、何か感じるところがあったためか、彼はその見世物小屋に入ってみた。

しかし、そこで彼は衝撃的な光景を目にする。建物の中の舞台には両手両足を失い、しゃべれないように舌も抜かれ、ダルマのような姿になった女性が全裸で転がされていた。そして、その女性は、数年前のあの日、行方不明になった彼の妻だったのである。

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