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閉塞感

2017.09.04.Mon.11:15

彼はエレベーターの管理、修理をしている。

ある日、病院のエレベーターが故障して止まってしまった、と連絡を受けた。

すぐに車を飛ばしたが、到着した時には2時間がたっていた。

現場へむかうと、人だかりができている。中には看護婦が閉じ込められているらしい。

「大丈夫ですか!」

彼が呼びかけると、怯えた女性の声が返ってきた。

「出してください。はやくここから出して!」

がんがん扉を叩く音がする。

「待ってください。今すぐに助けます」

道具を並べ、作業に取り掛かった。

「扉から離れていてください!」と叫ぶ。

「はやくはやくはやく!」

がんがんがんがんがん!!

「扉から離れて!」

彼はもう一度叫んだ。

がんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがん!!!

扉は狂ったように内側から叩かれている。ちょっと尋常ではない。

パニックになっているのだろうか・・・。周りの人も不安げに顔を見合わせている。

見かねて院長が、扉に近寄って怒鳴った。

「扉から離れなさい!危険だから!」

「離れてます!!」

女の悲鳴のような声が聞こえた。

「暗くてわからないけど・・・ここ、なにかいるみたいなんです!」

彼はぞっととした。じゃあ、今目の前で扉を殴打しているのはなんだ?

つとめて考えないようにして、大急ぎで作業にかかった。

扉を開けたとき、看護婦は壁の隅に縮こまり、しゃがみ込んで泣いていた。

彼女曰く、電気が消えた後、何者かが寄り添って立っている気配がしたという。

気配は徐々に増え、彼が来る頃には、エレベーターの中はそいつらで一杯だったそうだ。

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