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幽霊が近づいてきたら

2017.09.10.Sun.21:15

よくTV番組で、霊とコンタクトをとっている霊能者がいるけど、 

オイラはあれを観て、すごく不思議に思っていたんだ。 

だってオイラが出会うシュチエ-ションでは、オイラはいつもただの傍観者でさ、

話しかけられたりとか、追いかけられたりなんて事も、一度もなかったし。 

まるで流れる雲を見たり、突然現れる虹を見るように、それはただの『現象』でしかなくて、

何かをアプロ-チされたり、コンタクトがとれる、なんて事はなかったんだよね。

でも、その晩は違っていたんだ。 

竿を持って座っていたら、いきなりステ-ジが変わった。

それもまるで、周囲からの刺激に身体が反応するなんてレベルじゃあなくて、 

オイラの身体そのものが一本の神経になったように、全身の毛の一本一本が立つのが解った。

「ウッワァ~、やっべ-!!」と思いながら、

直ぐに竿をたたんでしまおうと思って、視線を動かしたその瞬間、

オイラから10m程離れた湖面に、スッと動く姿が眼に入ったんだ。 

日本髪ではなかったけど、時代を感じさせるような着物姿の女性。

オイラに見えるのは横からの姿で、女性は真っ直ぐ前を向いて、水の上を滑るように進んでいた。 

その姿のあまりにも生々しい存在感に、オイラの思考回路がパニクッた。

「ん、ん~!」っと、ついあげそうになった悲鳴を押し殺したつもりが、

それは唸るような声になって出てしまった。 

その時、ありえない事がおこったんだ。オイラのその声が聞かれてしまった。 

一度オイラの前を通り過ぎたソイツが、立ち止まってクルッと振り返ったんだ。

「ア~!!!!!!」

今度は本格的な悲鳴になった。

全身の筋肉が、いや全身が固まって、一つの個体になってしまう程身体が固まった。 

オイラがあげた悲鳴と同時に、その着物姿のヤツが、

10数m離れた湖面から、一瞬にしてオイラの目の前に移動して来たんだ。

鼻の頭同士がぶつかるような距離までせまって、宙に浮かぶような状態で、

オイラをジ~ッと見下ろされる。 

「アワワワ・・・ワワ・・・」

オイラは顎がガクガク鳴って腰が抜けて、その場にヘタリこんじまった。 

そうしたら、今度はその「アワワワ・・・」という、オイラの出した声に合わせたように、 

ソイツはスウ-ッと、オイラから離れて行ったんだ。 

と同時に、場のステ-ジも、スウ-ッ・・と軽くなった。

この時の経験で得た事なんっすが、霊気を感じた瞬間はとにかく、息を止める事っすね。 

ほんで、そこからゆっくり少しずつ息を吐いていくと、その場の空気が軽くなって行きますよ。 

実際に見えているものがあれば、ソヤツもス-ッと消えていく時もありやす。 

逆に「ヒエッ!」なんて悲鳴をあげながら息を吸い込んじゃうと、お持ち帰りになっちゃったりします。 

どうも人によって、その瞬間に息を吸い込む人と、吐き出す人がいるようですが、

その違いは大きいでっせぇ。

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