カエルの刑

2017.09.26.Tue.21:15

信一少年は、両親の仕事の都合でその町に引っ越してきた。

右も左もわからない町だったが、両親は外に出て友達をつくれと言った。

信一が、近所の公園に出てみると、

同じ年頃くらいの男の子と女の子が、遊んでいた。

仲間に入れてもらおうとそばに寄ると、

それはどこか目つきのするどい二人であったが、

意外と簡単に仲間に入れてくれた。

そのうち、男の子が信一に聞いてきた。

「ねえ、犬の刑、猫の刑、蛙の刑、牛の刑、カラスの刑・・・どれがいい?」

「え?」

信一は少年の言っていることがわからなかったが、どうやら少年たちの間で、

決まりごとのある遊びらしかった。

信一が何と答えていいかわからずに困っていると、少女が、

「あたし、犬の刑がいい」

すると少年は、ナワトビの縄を持ち出し、少女の首に巻きつけると、

少女をまるで犬のように引いて回った。

少女は、苦しそうにしながら、「ワンワン」と犬の鳴き真似をした。

次に少女が少年に聞いた。

「猫の刑、蛙の刑、牛の刑、カラスの刑・・・どれがいい?」

「猫の刑・・・」

少年は、高い塀の上に登らされ、そこから少女に突き落とされた。

少年は猫のように、身体を回転させて着地しようとしたが、

回りきれずに肩から地面に落ちた。

少年は痛そうにしたが、泣きそうになるのをこらえて、立ち上がった。

「ニャア」

少年は猫の鳴き真似をした。

今度は少年が信一に聞いてきた。

「蛙の刑、牛の刑、カラスの刑・・・どれがいい?」

信一は、少し迷ったが、

「蛙の刑・・・」と、答えた。

翌朝、公園で大の字になって、

腹を切り裂かれている信一の死体が発見された。

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