校内放送

2018.02.21.Wed.21:13

ある小学校での出来事である。

午前10時過ぎの2時間目の授業の最中、放送スピーカーの電源が突然入った。

「・・・さい。・・・なります。・・・さい。・・・なります」

聞いたことのない低めの女性の声がスピーカーから流れた。

抑揚がなく棒読みに繰り返されるその言葉が、学校全体に響き渡った。なかには泣きだす児童もおり、低学年のクラス担任たちは教室に待機し、児童たちをなだめた。

3年生の担任のA先生が、生徒を落ち着かせたあと、教室を出て真っ先に放送室へ向かった。

続いて4~6年生の担任、その他の教師や用務員が放送室へ駆けつけ、A先生に状況を聞いたが、
「放送を流している者は見当たらなかった」という。

学校は、外部の者が放送室に侵入して行った悪質ないたずらとして判断し、防犯体制を強化した。

しかし、それ以来、明らかにおかしなことが起こり始めた。

真っ先に駆けつけたA先生は、その事件の翌日から体調不良を理由に学校を休むようになった。

他の先生たちが代わりに授業を行っていたが、A先生は3週間ほど休んだあと退職してしまった。

A先生のクラスの生徒が心配して、先生宛に手紙を書いたり連絡を取ろうとしたが、A先生からの連絡はなかった。さらに、A先生は精神的に病んで入院しているという噂まで流れた。

例の謎の放送は一体何と言っていたのだろう。

「・・・さい。・・・なります」

生徒の間で「こう聞こえたよ」「いやこうだった」と様々な意見が流れたが、多くの生徒はこう聞こえたようだ。

「見ないでください。おかしくなります」



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