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雑踏

2018.02.26.Mon.21:10

駅から男が住むマンションまでは徒歩7分だ。帰り道には、コンビニや24時間営業のレンタルビデオ屋があって、明るいし夜でも人通りが絶えない。

昨日も仕事が遅くなったので、コンビニで夜食を買って帰ろうとしていた。

駅を出て足が止まった。

誰もいない。
車も通っていない。
時計を確かめる。
21時。



正月でもこんな状態は見たことがない。

不審に思いながらもコンビニへ行くことにした。

コンビニの店内も無人だった。店員の姿も見当たらない。男は怖くなって何も買わずに店を飛び出した。

コンビニからうちのマンションまでは3分も掛からない。

エレベーターのボタンを押す。2階、3階……着いた。家のドアに鍵を差し込んだ瞬間、何故か唐突に思った。

駄目だ。
これは罠だ。
このドアを開けたら取り返しがつかなくなる。

何でそんなことを思ったのか。

夢中で無人の町を駅に駆け戻った。
駅の構内に着いた途端、ざわめきに包まれた。

男は雑踏の中にいた。

駅を出る。
行き交う人々。
コンビニの前を通る。
立ち読みする人たち。
店の前で座り込んでる少年達。

マンションに着く。
ホッとしてエレベーターに乗った。

そして家のドアを開けた瞬間、舌打ちが聞こえた。

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