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変なもの

2019.06.10.Mon.20:55

ウチの会社の派遣社員のGさんから聞いた話。

以前務めていた会社で残業で帰りが深夜近くになった。

タクシーで住んでるマンション近くに着いたのが大体夜中の1時前くらい。

ちょうど季節は5月半ば。

人気の無いマンションを心地よい夜風が吹いていた。

Gさんは欠伸して上を向いた。

真っ暗な背の高い建物の輪郭と夜空が見えた。

と、突然、首がさらに上を向こうとする。

急に後ろで縛ってある髪が重くなったのだ。

Gさん実はこのとき髪がかなり長かった。

腰くらいまであった。

それが下に引かれる感覚がした。

今思うと、その感覚は誰かが後ろで髪を掴んで引っ張っている、
というよりも何かが髪にしがみついている、
といった感じのものだったそうな。

うそーん、誰? 痴漢? でも私以外誰もこの歩道にいなかったしなぁ。

そんなことを考えながらGさん、重さを感じた瞬間、
慌てて後ろを振り返った。

背後には誰もいなかった。

しかしGさん、このとき変なものを見てしまい、
ついでに変なものにも触れてしまった。

Gさんの視界の隅っこに何か
「赤ん坊の手」みたいなものが映って、消えた。

・・・何、今の?

その次の瞬間、ぶにゃっとした感触。

Gさんは右方向に振り返ったわけだが、
その勢いによって、髪が身体の左方向に振り子のように揺れた。

そのため、「髪の先に掴まっていたもの」の一部が見え、その後、
左腰と荷物を持ってた左腕にそれがぶつかったらしかった。

うわ。とGさんは思った。

ぶつかったものは妙に柔らかかった。

重さはその直後に消えていたが、さすがにゾッとしたGさん、
今度は慌てて左後ろを振り返った。

歩道脇にある植込みの中を何かがざざざざざざと走る音がした。

それが何かは周囲が真っ暗だったし、
Gさん自身も目が悪いためわからなかったが、
大きさ的には猫くらいの大きさの、
青っぽい色の生き物?だったそうな。

怖くなったGさんは駆け足で自分の部屋へ帰って、速攻で寝た。

で、次の日の朝、服のその変なものがぶつかった部分を見てみたら、
少量の泥が付着していたらしい。

「多分、猫の見間違い。もしくは新種の妖怪じゃないかな?」

今はかなり短いショートカットなっているGさんは
その体験をそう結論付けていた。


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