不気味な「場所」

2016.11.17.Thu.22:12

幼稚園時代の俺は、園内でも超がつくほどの問題児だったらしい。

毎日のように先生を困らせ、何度も呼び出しを食らったと親は言う。

確かに先生に怒られていた記憶はあるが、昔の話なので断片的にしか覚えていない。

ただ、幼稚園の近くにあった不気味な「場所」は

なぜか頭の片隅にずっと残っていた。

フェンスで囲まれたその場所は、

ただ雑草が生えているだけだが、過去に起きた地震で、

大勢の人が死んだ所だと小学校で習った。

それから18年。

連休を利用して地元に帰ってきた俺は、

たまたま幼稚園の前を自転車で通った。

幼稚園こそは昔のままだったが、雑草が生えている

だけだったその「場所」には真新しい家が立ち並び、

すっかり風景が変わっていた。

思わず足を止めて眺めていると、幼稚園バスが入ってきた。

バスには、忘れもしない、あの時の先生が乗っていた。

手のかかった園児ほど記憶に残っているものなのか、

先生も俺のことを覚えており、18年ぶりの再会を喜んだ。

先生は、卒園後も俺のことを心配してくれていて、

時々小学校へ近況を聞きに行っていたらしい。

職員室へ招かれ、しばらく昔の話で盛りあがり、

当時のクラスメイトの話になった。

とはいっても、悪ガキだった俺には友達なんて数えるほどしかなく、

唯一仲のよかったBの近況を尋ねてみた。

「B君ね、13年前に亡くなったのよ。」

俺は、思わず「え!?」っと声をあげた。

しかし、次に先生が言ったことで、

昔の記憶…思い出してはいけない記憶が蘇った。

「あの子、○○○(当時の「場所」のこと)にあったお地蔵さんで

遊んでいたからねぇ…。もしかしたら…。」

確かに、当時はあの場所付近には大きな石碑が立っており、

小さな卒塔婆も何本か置いてあった。

俺は、Bがそれを振り回して折ってしまったのを見ていた。

その俺も、お地蔵に石をぶつけて遊んでいたのだ。

俺は、あの「場所」について聞いてみた。

何でも、石碑は移動され、十分に供養した後に埋め立てらて、

家が建ったらしいが、案の定何かが出るらしく、

何回か人が入れ替わった後、ここ数年は買い手がついていないらしい。

もし、Bが祟られたとすると、次は俺かも知れない。

俺は、先生に挨拶して幼稚園を後にした。

自転車にまたがると、俺はそこに立てられた真新しい家を見上げた。

3階建てのいい家だ。

その時、3階の窓が開いた。

今も空き家になっているはずなのに…?

それとも、つい最近になって買い手がついたのか?

窓からは、女の子が顔を出した。

15歳ぐらいか?

こちらをじっと見ている。

気持ち悪くなった俺は、自転車のペダルに脚をかけた。

その時、確かに女の子はこう言った。

「次はお前だ。」

気がつくと、俺は必死で自転車を走らせていた。

後日、俺は近くの寺に行き、住職に相談した。

すると、住職はお払いをした後、こう言った。

君には、非常に恐ろしい危険が迫っている。

あの場所には、二度と近づいてはいけないと…。

次にあの女の子を見たときが、俺の最期だそうです。

関連記事
コメント

管理者のみに表示