オバケになるぞ

2016.12.07.Wed.11:39

小さい時の話です。

ある日、兄がカブト虫の幼虫を沢山取ってきました。

僕も欲しくなり、何処で取って来たのか聞きましたが、教えてくれません。

僕は裏山だと思い、次の日、友達と2人で裏山に行きました。

幼かった僕たちは、カブト虫の幼虫がどんな所にいるか判りませんでした。

手当りしだいに掘って行ったのですが、もちろん取れません。

僕たちはどんどん山の奥に入って行きました。

すると、ちょっと土の色が違う所を発見しました。

「きっとここだよ」

僕たちは嬉しくなり、掘り出しました。

すると急に後ろから、「君たち何やってるの?」と声がしました。

振り返ると、見知らぬおじさんが立っていました。

僕たちは「カブト虫の幼虫を見つけてるんだ」言うと、

おじさんは「そんな所には、いないよ。他を探したら」と優しく言いました。

でも僕たちは「掘った跡もあるし、きっといるよ」と、掘り続けました。

・・・少し間が空き、不意に静かな声で、おじさんが言いました。

「それ以上掘ると、オバケになっちゃうぞ」

オバケの言葉にびびって掘るのを止めると、おじさんはニコニコして、

カブト虫の幼虫の取れる所に、手を繋いでつれて行ってくれました。

おじさんの手が震えていたのを憶えています。

今思うと、何が埋まっていたのか?

そして、『オバケがでるぞ!』じゃなく、『オバケになるぞ』は、言い間違えただけなのか?

総ては裏山の中に埋まっています・・・

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