人が膝を抱え座りこんでる

2016.12.13.Tue.16:45

今から10年くらい前の話なんだけど…。

当時、電車で通勤するはめになった。二駅ほどの距離。

帰りは7時くらいになる訳で、そんな遅い時間でもない。

その日も列車から降り、通路を通って改札に向かった。

で、改札に向かう途中に、反対のホームが見えるんだが、線路とホームのコンクリの引っ込んだとこに何かいる。

人が膝を抱え座りこんでる感じ…。

服装がなんつーか、戦争の時にきてた国民服?みたいの…。

ありゃ~と思ったけど、気づかんふりして改札までいった。

で、俺が当時すんでたアパートは、駅の裏で歩いて10分程のとこ。

駅からは地下道(といっていても長さ50mもない)を抜ける。

当然、その日も地下道に入った。

…おかしいんだ。人がいない。

時間はまだ7時位。駅前も電車通の学生でいっぱいだった。 

なのに、ここには俺しかいない…いや、いる。

あれがしゃがんでた。同じ格好で。

大丈夫…大丈夫だ。気づかんふりして通れば。

俺は歩いていった。

そいつの横を抜け…よし、いける。このままやり過ごせる。

そう思った瞬間、グイッ。俺の手首に重みがかかった。

見ちゃったよ。服もぼろぼろで顔も判別できない。

俺は必死で手を振り解いて地下道を走った。

外に出ると今までが嘘みたいに、駅裏のバス停はバス待ちの学生で一杯だった。

この駅は戦時中に爆撃があって、かなりの人が亡くなったとこなんだが、

後から調べると、まさにその日だった。

余談になるが、この頃に俺はネコを6匹飼ってて、毎日駅まで送り迎えしてくれた。

考えてみると、この日だけは迎えにこなかった。

この日を境に、事故にあったり戻ってこなかったりで、全員いなくなったよ。

東北の地方の話です。

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