足を見てしまったがために

2016.12.22.Thu.21:18

昔(母が高校生くらいの頃)、母にはAさんという友人がいたそうです。

その人は別に「心霊現象」に合う方ではなく、本当に普通の人だったそうです。 

ある日、母とAさんは近くの銭湯へと行きました。現在でもそうですが、

長風呂派の母はゆっくりと入っていたそうですが、Aさんは比較的早く上がってしまう人らしく、熱いということで先に脱衣所へと行ってしまったそうです。 

それからしばらくして、衣類を身につけたままのAさんが慌てて母の元へと駆け寄ってきました。 

何事かと聞いてみると、Aさんはとても動揺しながら「足が!足が!」と言っていたそうです。 

とりあえずAさんを落ち着かせる為に、急いで浴場を後にして脱衣所へと向かいました。 

番台には番頭さんがおり、脱衣所には誰もいない。 

Aさんは1人震えながら母の背中に隠れていたそうです。 

Aさんが落ち着いた後、詳しく聞いてみました。 

Aさんいわく、脱衣所へとやってきて、衣類を身にまとい、髪を乾かしていた時、たまたまヘアピンを落としてしまいしゃがんだそうなのです。 

その時屈む感じではなく、上半身を下げるような体制でヘアピンを拾ったとき、自分の足の向こうに、もう1人の足があったそうです。 

まるで、自分の後ろにピタリとくっつくように。 

誰か待っているのかと身体をあげたそうですが、鏡にはAさんの姿だけ。 

そこから急に怖くなったAさんは、衣類を身にまとったまま浴場にいる母の元へと駆けた、とのことでした。

その時は単なる見間違いだろうと母も笑っていたそうですが、その日以来、Aさんは足を見ることが多くなったそうなのです。 

初めて見た時のように屈もうがそうでなかろうが、いつも自分の側にピタリとくっついているそうなのです。 

それからというもの、Aさんは元気をなくしてしまい、ある日お亡くなりになられました。 

原因は酔っ払いが運転する車に追突されたとのことですが、母はきっと「足」が何かしら関わっているのではないかと思ったそうです。 

後日、Aさんの通夜に参加した母ですが、帰ってくるなり疲れた顔をして、私にこの話をしてくれました。 

そして、一服を終えるなり一言つぶやきました。 

「Aね、事故で命を落としたのもそうだけど、両足も無くしちゃったのよ」 

もしかしたら、あの足はAさんのものだったのでしょうか? 

それとも、Aさんの足を狙った何かだったのでしょうか? 

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