シャレコウベ

2017.01.10.Tue.11:17

これは 群馬県伊勢崎市に住む山田達夫さん(仮名)の体験である。

その日は 久々に晴れあがったので 山田さん夫婦は 赤城山までちょいとドライブとしけこんだ。

途中脇道に入り 一息入れるつもりで煙草に火をつけながら周りの景色を写真に収め 久しぶりに夫婦で一緒に過ごせる事の幸せを感じていた。

・・・と その時 突然一台の車が向こうからやって来るのがわかった。

なにしろ狭い脇道である。

移動させないと その車に迷惑がかかるのではと思い 運転席に戻ろうとした。

しかし思っていたより道幅に余裕があったのか スピードを落とす事もなくス~と通過していったので ほっとして見送った。

・・・が しかしだ。気のせいなのか その車は実に静かに走り去って行ったように思えた。

それに 錯覚ではなかろうかと 自分の目を疑った。

たしかに たった今 乗用車が自分たちの脇をすり抜けるように通過して行ったのを 妻と二人で見ていたはずだ。

アスファルトなどではない 砂利道である。

土埃も立たなければ 車の轍も出来ていないのである。

二人は顔を見合わせた。

「何だ 一体あの車は??」

「気味が悪いから 戻りましょう。」・・・と奥さんが言いだした。

それにしても腑に落ちない。何となく気分がスッキリしないまま車を走らせようとしたその時だ。

突然 山田さんは左目に猛烈な痛みを感じたのだ。

「あっ・・・痛たたたたっ‼」

あまりの激痛に その場にしゃがみ込んでしまい それこそのたうち回る程の痛みだ。

一刻も早く 医者の元へと言う事で奥さんがハンドルを握り 何はともあれ近くの病院へ駆け込んだ。

そこで精密検査を受けるも 診察をした医師は痛みの原因は わからないと言う。

とりあえず 痛み止めの注射と薬をもらい 帰宅したものの激痛は消える事は無く 翌日には痛みとともに極度に視力も落ち 左目は殆ど失明に近い状態だった。

あちこちの病院で見てもらうも 症状は一向に良くならず一週間が過ぎた。

「医者が 原因がわからないなんて・・・」

奥さんは やるせない思いで途方にくれた。

事の次第を物知りの親戚に相談すると

「それ・・・なにかの祟りではないのか。と言うのだ。」

奥さんも また山田さん本人も 祟りなどと言う事は半信半疑ではあったのだが 背に腹は変えられない。

藁をもつかむ思いで その筋の人に見てもらおうと言う事になった。

山田さん夫婦は 紹介して貰った霊能力者に一切の顛末を述べた後 霊視が始まった。

その霊能者の話によると 「その山には 数年前自殺者が出ている。車を止めたすぐ近くに 発見されぬままのシャレコウベがある。その近くをもう一度探してみよ。」無縁仏の霊界からの声が聞こえると言うのだ。

山田さん夫婦は 改めてその翌日 例の場所に行ってみた。とは言っても二人だけでは心細いので 親戚二人にも同行を願い 4人で家を出たのである。

緊張した面持ちで4人は辺りを探し始めると 奥さんが「キャッ‼」っと叫び声をあげた。

3人が駆け寄ってみると 信じられないような光景がそこにあったのである。

3~40センチ程は伸びているであろう草むらの中に 頭蓋骨が見えたのだ。

その頭蓋骨には泥が付き 茶褐色ともつかぬ色をしていたのだが 特に4人が驚いたのは 左目の空洞から竹の根が下から突き抜け 20センチ程飛び出していたのである。

しかしながら こうした状況の中で素人が手を触れて良い物かどうか このまま警察に届けるべきか 散々悩んだあげく

「せめて もう少し良い場所に移して 手を合わせようじゃないか。」と言う事になった。

恐る恐る親戚の一人が頭蓋骨に手を差し伸べると 急にまた激痛が山田さんの左目を襲ったのである。

「・・・ん? 何か引っかかってる。この竹かな? 」

思い切って頭蓋骨の下の方の竹の根の部分を スコップで掘り起し全ての竹の根を取り除いた。

そして大事に頭蓋骨を胸に抱え上げると ほとんど同時に山田さんの左目の激痛が消えてしまったのだ。

四人は合掌し 改めて手厚く供養する事を誓って下山した。

勿論 警察に報告したのも言うまでもない。

それにしても・・・だ。

何故 この無縁仏の霊が山田さんに突然取り憑いたのか?

本当にお気の毒と申し上げる以外はないのだけれど 何も行動を起こさなければ 完全に失明していたかもしれないのだが その後山田さんは 全く元どおりに視力も回復し元気に明るく仕事に精を出している。

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