家族の奇行の真相

2017.02.10.Fri.11:01

自分の身に起こった、今でも信じられない実話です。 

まだ僕が中学3年だった頃。

僕の家は、父親と母親と弟(まだ小学校低学年)の4人家族でした。 

紅白歌合戦を見終わって、いい初夢でも見るかな…ってな具合で寝たのはよかったんですが、 

真夜中に悪夢(見た夢の内容は思い出せない)を見て、突然真夜中に起きました。 

心臓は音が聞こえるほど激しく脈打っていて、脂汗を全身にじんわりかき、 

まるで冷や水を背中から流されたかのように、布団からがばっと起きた体勢のまま硬直してました。 

「新年早々に悪夢かよ…最悪」とか思いながら、また寝れるわけもなく、 

カラカラに渇いたのどを潤すために、冷蔵庫のあるリビングに行くと、

真夜中なのに(時計は見てないけど、たぶん深夜2時頃)家族全員が抱き合った格好でテレビの前に座っていました。

テレビは付けっぱなしで、深夜なので番組がやっていないのにもかかわらず、

ニュース番組(これも記憶が曖昧)の画面が映っていました。しかも無声で…。

それに窓という窓が全部開けっ放しになっていて、外と変わらないほど寒いんです。

明らかに様子が変でした。ぞっとする寒気を感じました。 

「何やってんだよ!!頭おかしいんじゃねぇの??」と震えながらだが、半ばキレたように怒鳴ると、

弟は「だって…ぁ…(声が小さくて聞き取れない)」と言うと泣き出してしまい、

それを見た両親は、終始無言&無表情で窓を全部閉めて、テレビを消し、

うずくまって泣いている弟に「もう寝なさい」ってな感じで、寝室に連れて行きました。

新年早々、気味が悪すぎる出来事に遭遇しまくって寝る気が起きないので、 

その日は自分の部屋で、漫画を読みながら朝を迎えました。

朝になって、両親に「昨日、真夜中に何やってたんだよ??」と聞くと、両親は「はぁ?」ってな具合。

昨日の喜怒哀楽のない顔と、今の怪訝そうに俺を疑う表情のギャップで、

俺は「幽霊ってやつか??」とかなりパニくった。

まあ、そんな話を友達にしても疑われるだけだし、12月に彼女に振られたのもあって、

きっと精神的な疲れから幻覚を見たんだろう…ってな感じに処理しました。 

それからしばらくして、また真夜中に悪夢で目が覚めました。

今度は微妙に内容を覚えていて、見知らぬ人に後頭部を殴られる夢です。

なぜか起きても、ジンジンとつむじ辺りが痛いんです。

そして、なぜか「コンビニなら安全…」とか意味不明なことを考えてました。 

頭の中は「幽霊に襲われた」って考えが支配してて、パニクってリビングに逃げました。

しかし誰もいないし、なんか夕食の焼肉のせいか、焦げたにおいが浮遊している。

しかも、新年早々にリビングであった奇怪な出来事を思い出し、またもや眠れぬ夜を過ごしました。 

そして2月の初め頃になると、体が異常に痒くなってきました。 

最初は単なる乾燥肌と思ってましたが、

背中と頭が特に焼けるような感覚を覚え、ボリボリ掻きむしっていました。

痒みは一向に良くならず、皮膚科に行って塗り薬をもらい、

風呂上りに薬を塗ろうとすると、弟が「塗らせて」と懇願するので背中を突き出してやると、

何を思ったかバチーンと背中に張り手をくらわしたので、

痛さのあまり「ふざけんな!!」ってな感じで怒りました。

俺の怒鳴り声で必ず泣く弟なので、見る見るうちに目に涙をためて、

あぁ…泣くぞ泣くぞと思ってると、声も立てずに涙をポロポロ流します。 

変なことに、どんどん顔は色味を失ったような感じになって、

ついには、無表情で涙を流すだけ、といった感じでした…。 

めっちゃ気持ち悪くて、両親のほうを見たら、これまた両親も無表情で涙を流してます。

もう完全に放心状態…。

よく見ると口元が微妙に動いているのですが、何を言っているのか分かりません。

「ぁ……ぃ」

聞き取れてこの程度でした。 

その瞬間、自分の周りの景色が真っ赤になり、徐々に色あせてセピア色になって、

意識が…なくなる…と思ったら、いきなり周りの景色が一変してました。 

どっかで見覚えあるような…と思ったら、従兄弟の家でした。 

深刻そうに叔父が俺の顔を見ています。 

「え…何でここにいんの??」

全然事態が飲み込めません。 

そのうちぞろぞろと、周りの人たちが集まってきました。 

最初は「今までのは全部夢だったのか??」と自分で推測してましたが、

叔父の家にいる経緯が全く分からないし、なぜか祖父母もいるし、あちこち包帯だらけで、完全にパニック…。 

「記憶がないなら、ないほうがいいんじゃないか?」とか祖父が言ってたのですが、叔父は、

「こいつには、何があったか話しておかんとならん。

 まだ犯人も捕まってないし、1週間後にまた警察の人が来るだろう」

ってな具合で、叔父から全貌を聞いた。 

僕の家は、1月1日に何者かの放火にあって全焼したようです。 

僕はたまたまコンビニに行っていたので、助かったみたいなんですが、

犯人と思われる人を見たために、後頭部を殴られ、全身をバットかなんかでめったうちにされて、

記憶を失ってしまったそうです。 

搬送先の病院でずっと生死をさまよった後、回復してから叔父の家に引き取られたそうです。

そして今は3月…2ヶ月も記憶を失ったままリハビリを続け、たった今、記憶が戻ったとのことでした。

僕は号泣しました…。

いっぺんに大切なものを失ったのを、2ヶ月も過ぎてから分かり、

ただただ泣きじゃくる顔を、祖父母と叔父に見られていました。 

叔父は黙って目を反らしていましたが、祖父母たちももらい泣きして、わんわん泣き続けていました。 

体中には青あざが無数にあり、包帯がミイラのごとく巻いてあり、

節々が曲げるためにチリリとした痛みが走りました。 

なぜか真冬の真夜中に、全部の窓が開いてあったこと、

無表情で固まりあう家族、 

見知らぬ男に殴られる悪夢、

突然真っ赤になった景色…

まるでジグソーパズルのように、謎がピシピシとはまっていきました…。 

結局、犯人は未だに捕まっていません。

そして、背中の包帯を取ったときに、僕の青あざが残る背中には、弟の手のひら状に無傷だった跡がありました。 

事件から5年経ち、あざが消えるのと共に、その手のひらの跡も消えてしまいました…。 

小さくですが、地元の日報にしっかりと載りました…。

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