夜行バスにて

2017.03.02.Thu.21:25

母親と三人娘(上から里奈、留奈、玲奈)は実家へ帰省する途中だった。

末の玲奈は甘えん坊で、母親の横を決して離れようとしない。

すると留奈が「ズルい!あたしもママの隣がいい!」と言ってきかなかった。

仕方なく母親は、補助席を引っ張り出して留奈を座らせた。

それを見ていた里奈が「私はママの隣じゃなくても平気だもんねー」

と言ってワザと遠くに座っていた。

車内は比較的空いていて、ある程度は自由に動けた。

「あ、お姉ちゃん、一番後ろにいる…」玲奈が呟くように言うと、

「里奈姉ちゃんはママのことが嫌いなんだよ!」と留奈が意地悪そうに言い放った。

「そんなこと言ったら里奈姉ちゃんが…」

案の定、里奈は怒りながらやって来て、

「わたしママの後ろに座るからどいて!留奈」

「ヤダ!」二人は掴み合いのケンカになってしまった。

「留奈姉ちゃん、意地悪しないで通してあげなよ。」

そんな玲奈の言葉なんか聞く耳持たない留奈だったが、

「いい加減にしなさい!二人とも!里奈は留奈の隣にすわる!

そうすれば、みんな横一列になってママの目に届くから!」

母親にそう叱られると二人はしゅんとして従った。

しばらくして玲奈が母親のお腹を触りながら尋ねた。

「ねえママ、今度生まれてくる赤ちゃんにはどんな名前つけるの?」

すると母親は「検査で男の子だって分かったから、露斗かな。」

「変な名前」留奈が横からボソッと皮肉った。

「あらそう?勇者みたいで強そうでしょ」

母親が悪戯っぽく言うと留奈は思わず吹き出してしまった。

玲奈は意味が分からなかったらしく別の方向を見て、

「あ、お姉ちゃん今度は一番前にいる」

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