親友のアパートに住まう女性

2017.03.07.Tue.11:19

この話は私が学生だった時に私と親友が体験した実話です。

私には小学3年からの付き合いになる親友がいる。昔から何をするにも一緒だったが、高校卒業を期に始めて別々に道を歩み始めた。

私は大学に進学し、親友は社会人として働くようになった。

初めは親友も働くつもりではなかったが、進学もしない、働かないでは親からの視線も気になり、近くの福祉施設で一年半勤める。

その後は市議員をしている親戚の紹介で職を変えて改めて働くのだが、実家からの通勤に時間が掛かるということで、職場から車で5分と掛からない場所のアパートに住む事になる。しばらくは仕事に慣れる為に大変だったのか全く音沙汰無く。大学2年になったある日、親友から俺たちも成人したから酒でも飲もう!と連絡があり、家を出たら既に親友が車で迎えに来ていた。初めは実家で飲むのかと思い、親友の実家に向かおうとしていたのだが、車に乗ってからは思いとは別にどんどんと違う方向へ進み、終いには隣市まで行くのである。途中で聞いてみると、着いてからの楽しみにというだけである。そしてついに車が止まるとアパートの前の駐車場!そう親友は自分に一人暮らしをしている事を隠していたのである。

初めて入る親友の部屋はキレイに片付けてあり、とても男性が住んでいる感覚は微塵も感じられなかった。そう思いながら途中酒屋で買ってきたビールで乾杯する。昔話に華を咲かせながらいると、いつの間にか大分飲んでおり、途中トイレに立つと何か異様な感覚が自分の体に走る。

トイレを出て洗面台で手を洗っていた時にその正体が明らかになる。鏡には黒く長い髪に白のブラウスで膝下位の黒いスカートの女性が背後から写る姿を見たのである。これまでは感じることがあっても見ることはなかった自分は思わず叫ぶ。

とかなり出来上がった親友がろれつが回らない言葉でどうした?と聞いてきた。

親友にその事を話すと急に親友の顔は青ざめていった。それもその筈、親友には弟がいるのだが、親友の弟は霊感が強いので弟からも同じ女性の存在を聞かされていたのである。まさか別々の人間からその女性の話を聞くと思っていなかった親友はかなり驚いたようだ。その後も親友のアパートに訪れるとやはりその女性はいる。心配になってきた親友が自分に相談してきたが、その女性が悪いことをしようとしている感じはなかったので挨拶してみたら?と言ったら親友は本当に挨拶を繰り返したのである。

そんなある日、寝室で寝ていた親友が夢か現実か分からない夢の中でその女性を見たそうである。

それからというもの見ることも感じることもなくなった。

 

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